試打用品について:PGAツアーを転戦するプロゴルファーは、毎週変わるゴルフ場の温度、湿度、標高などによるコンディションの変化を常に頭に入れながら、更にその週の自分の調子、改善点、取組んでいるテーマなども踏まえて、現在のボール挙動を的確に把握して、トーナメントに望んでいる。
これまで、その「把握」は、コーチ、キャディー、トレーナーなどの多くのスタッフによる経験値の蓄積と、総合的な判断によって支えられてきた。
しかし、ボールの挙動をデータと数値で一瞬にして明確にしてしまう「トラックマン」の登場で、サポートスタッフの役割は一変。「トラックマン」を正として、練習、テーマ、戦略を組み立てるようになった。
ジョーダン・スピースもトラックマン
ジェイソン・デイもトラックマン
500万円以上のトラックマン、ドイツ車よりも安いし、いっぱつ買っちゃおうか~とはいかない。確かにあのオレンジのTrackmanは、カッコイイけど、技術不足のアマチュアゴルファーには、練習場で使う勇気も予算もなし。
そこで登場するのが、安いモデルは一万円以下で購入できるユピテルスイングトレーナー。北米にも同じような製品はあるが、ここまでコンパクトで安い製品はナシ。さすがじゃぱにーず。僕も日本から買って使ってます。
ちなみにこっちの北米Amazonで買えるスイングモニター
ユピテルと同じような表示ができる製品。
約2万円~
ユピテルと同価格帯の製品。
スイングモニターというよりも、赤ちゃんの泣き声を検知するベビーモニターにしか見えない・・・
で、当然気になるのは、ユピテルスイングトレーナーのデータ信頼性。購入した人は「実際の飛距離と同じくらい」という評価が多いが、ここはやはり、データ対データで検証しなければ、納得できない!
ユピテルスイングトレーナー GST-6W
高さを調整できるブラケット付き
「マイクロ波センサー採用、ドップラー効果と多くの実績データにより、高精度を実現」だそうな。
出力データは、ヘッドスピード、ボールスピード、キャリー、ミート率。
こちらがいつも使っているシュミレーター。
Forsight社製ゴルフシュミレーター。2013年頃のモデルGC2。
本機はかなりの人気機種で、あっちこっちのウエッブサイトで使用、紹介実績あり。
ステレオスコープカメラで連続撮影し、ゴルフボールの挙動を測定。クラブの動きは測定していないので、ヘッドスピードデータは、ボールスピードからの計算値。
コブラ、クリーブランド、アダムス、フジクラで採用。またテーラーメイド、ピンのR&D施設にも設置されている実績あり。使用シュミレーターはセットで、恐らく定価700万円程度。本間ゴルフも使ってます。
本間ゴルフ打球解析
出力データは次の通り。ヘッドスピード、ボールスピード、ミート率、打ち出し角度、打ち出し方向(右利きで、+の数値がセンターより右、-の数値がセンターより左)、サイドスピン、バックスピン、トータルスピン、最高到達点、落下角度、キャリー、トータル飛距離、左右ブレ(+の数値がセンターより右、-の数値がセンターよりも左)。
今回の試打に使用するクラブは、ミズノJPX-900ドライバー 10.5度。
一発の飛びはないが、サイドスピンが少なく、アベレージアマの僕には使いやすい。
ユピテルスイングトレーナーは、スピンデータは計測されないので、今回のようなテストには最適と判断。
シャフトは、フジクラスピーダー569 エボリューションII Sフレックス
ボールは、いつものスリクソン Z-Star XV 2016年モデル
データ:
(明らかなミスヒットを除く、5球平均値。)
データ補足:ーどちらの製品もミート率が肝。前述の通り、GC2シュミレーターは、ボールスピードを計測し、ヘッドスピードは、計算値。で、この計算に使用するミート率をクラブ毎に指定できるようになっている。いきなり感覚的な数値で計算されていることになるが、僕がドライバーで使用する数値は1.45。
ーこの1.45の根拠は、実はユピテルの実績を元にしている。ユピテルスイングトレーナーは、ボールスピードとヘッドスピードを計測し、ミート率を計算している。ちなみに今回の5球のユピテルによる平均ミート率は、1.454。
ーGC2シュミレーターは、ステレオスコープカメラでボール軌道やスピンも計測するため、フェイス向き、スイング方向によって、計算される飛距離や方向(ドロー、スライス等)も異なる。ユピテルはこの機能がないために、ミート率が悪いのは、たぶん真ん中に当たってないからじゃないかなー、というゆる~い推定をしているのが、オリジナルのデータ管理ソフトの機能に見て取れる。
これ、ユピテルオリジナル、データ管理ソフトによるイメージ。
こんな感じのイメージかな~、程度。決して赤い点が実際のフェイス打点を表しているわけではない・・・。(データ管理ソフトに、このイメージ表示機能、必要かしら?)
テスト時の感覚:
シュミレーターでの飛距離は、コースでの飛距離よりも若干大きな数値となる傾向あり。これはシュミレーターでは、池やOB、スコアを全く気にすることなく、固くならずに、気持ちよ~く振り抜けるためと思料。
シュミレーター、ユピテルの信頼性は?:
データの通り、両機種の数値はほぼ同様で、若干ユピテルの飛距離が短くなるという結果。これはシュミレーター試打時に、ユピテルを使ってチェックしている僕の経験感覚と同様。平均でみると、ヘッドスピードもボールスピードもユピテルの方が速いのに、飛距離はユピテルが短いという結果になってしまうが、個々のデータでは、ボールスピードが速いほど、飛距離が大きくなるので、問題なしでしょう。
試打後記:
練習場でも参考になるので、ユピテルは買って良かった。でも黒くてちょっと地味。もっとカラーバリエーションあれば良いと思うのは僕だけかな?
それにしても、オレンジ、目立ってカッコイイんだよな。今でもこのオレンジは欲しい! ゴルフとは無関係だけど。
気になったら価格チェック:
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