試打クラブについて:グリーン手前まで2打で来たのに、カップまであと30ヤードで、4打も掛かった・・・なんて、アマチュアにはザラ。以前にも書いたが(記事は
こちら)、グリーン周りのアプローチやウエッジショット精度が、物凄くスコアメイクに重要であることは、よくよくわかっている。日本の
ゴルフ雑誌で、アマチュアが2打目までを打ち、そこから3打目以降は、アマとプロが別のボールで勝負して、スコアの差を調べる興味深い実験記事があった。アマチュアが90台なのに対し、プロはちゃんと70台に纏めてしまう。つまり、平均スコア90台のアマチュア
ゴルファーでも、ウエッジで確実に寄せて、パットを決めれば、常時70台はカンタン、カンタン。
とは言え、飛距離だけを考えるウッドや、番手を使い分けられるアイアンとは異なり、振り幅、インパクト、フェイス開き具合、グリーン傾斜、ピンポジション、ライ、芝の状態、自分の腕前、疲れ方、精神状態、同じ組の人達との関係・・・等々、数値のような、感覚のような様々な係数を、順列組合せサインコサイン鶴亀算で、素早く計算して、精密なショットを繰り出すウエッジは、曼荼羅に宇宙を見るような深淵さと、ルフィが海賊王になるような果てしなさが、トキワ荘に同居しているように複雑怪奇。これじゃ、やっぱりウエッジで常に距離を合わせるのはキッパリ、ムリ。
この
ゴルフに於けるポアンカレ予想を、スラスラと解明してしまうのが、PGAプロのアプローチにみる、あのバックスピン力・・・と個人的には希求中。だって、確実にボールから捉えるアプローチで、あれだけキュキュッとスピンで止めることできれば、考えるのは落とし所だけでいいじゃん。そしたらアプローチ、ちょーカンタン。
つまり、やっぱり必要なのはバックスピンが効くウエッジだ。あまりショップで試打させてくれないウエッジだが、スピンが効くという噂の新品
クリーブランドRTX 3.0と、現在使用中の中古
ボーケイSM5を比較。70台が出ない理由は、現在使用中のウエッジのせいなのか?
スペック:
V-MG 56度
KBS 610 ウエッジ 110
タイトリスト
ボーケイSM5ウエッジ 2016年モデル
Sグラインド 56度
トゥルーテンパー ダイナミックゴールド ウエッジフレックス
ボール
スリクソン Z-Star XV 2016年モデル
隆の鶴 vs 闘牙のそっくり対決を彷彿とさせる。(左SM5, 右
RTX-3.0)
左SM5, 右RTX-3.0
左隆の鶴、右闘牙、否、逆かな・・・
データ:
(明らかなミスヒットを除く、5球平均値)
データ補足:ーキャリー、トータル飛距離は、ほぼ同様。
ー注視するのはバックスピン量。
ボーケイは2016年モデルだが、使用頻度も少ない(多くのラウンドで、今回
テストで使用した56度ではなく、別の
ボーケイ58度を使用)ので、RTX-3.0とのバックスピン量の差には驚き。
ー最高バックスピン量は、RTX-3.0の、10,267回転。ちなみにSM5の最高バックスピン量は、9,963回転。
ー以前に掲載した(再び、記事は
こちら)タイトリストがウエッジロボットで
テストしたデータ(
ボーケイSM6 56度 Fグラインド)では、バックスピン量が8,600回転で、打ち出し角度が33度だった。うー・・・どう考えればいいんだろ?
ーRTX-3.0は、手にした瞬間に明らかに「軽い」。日本の
ゴルフ雑誌のウエッジ特集記事にも同様に「軽い」という記述があった。メーカー説明でも、旧モデルよりもホーゼル短くして7g,またマイクロキャビティーという小さなキャビティを内部に設けて2g,合計9gを軽くしたらしい。使いはじめはフルショット時に頼りなさを感じたが、慣れれば全く問題なしで、むしろ小さなスイングはしやすい。
ー重さによる手応えのせいか、飛距離やスピン量はSM5の方が、明らかに上回っているとう感覚を持って
テストしていたので、結果は意外。やっぱりデータって大事だー。
今週のコンペに持っていくなら:
プロ
ゴルファーの間でも愛用者が多いという事もあり、僕自身の中にもボーケイ神話を抱えていたことに気づかされた。実際に、コースや練習場で他のウエッジを借りて使用しても、手応えに物足りなさがあり、やっぱりボーケイ、スゲ~と、データなしの感覚だけで無意味な再確認をしていたようだ。もちろん
ゴルフに感覚は重要な要素なので、スピンを自在に操ることのできるプロゴルファーにとっては、感覚も含めてボーケイ、スゲ~と愛用し続けるのかもしれない。一方、アマチュアゴルファーには、オートマチックに沢山バックスピンが掛かる方が、素直に有り難い。
記事が複雑になるので、ここまで無視してきたが、実際にコンペに持っていく事を考えると、サイドスピン量も気になる。ここでもデータ上、RTX-3.0の方が明らかにサイドスピン量大。個別データでも、RTX-3.0は、2,000回転台が並ぶが、SM5は全て1,000回転台後半。横ブレデータの差は、100ヤードの距離を打って、平均3ヤードの差。しかしRTX-3.0の方が、グリーン着地後にバックスピン量で止まりやすいから、実際の差は3ヤード以下になるはずで、サイドスピン量に起因する横ブレ問題は無視できる範囲内と思料。
グリーン周りからの、キュキュッと止まるアプローチを目指すのが本来の目的だから、オートマチックスピンのRTX-3.0をラウンドで試してみたいなー。これさえあれば、70台が出る気がしてきた。
試打後記:
このウエッジ、RTXは日本語で「ローテックス」とカタカナで読ませてるけど、北米でローテックスって呼んでる人はいない(アール、ティー、エックス)。ウエッジのフェイス溝の形状を、Rotex Face Technologyと名付けているらしい。このRotex、辞書にない単語。ネットでは、カップリングの商品名だったり、ロータリークラブの一組織だったり、大きな産業用選別機械だったり、ダイキン下の暖房システムだったり・・・と、自分でも何を書いているのかチンプンカンプン。旧モデルにはあった意味不明だけカッコイイ「588」もRTX-3.0ではなくなっちゃったしな。
ウエッジ名称で有名な逸話があるのが、キャロウエイのウエッジ、Mack Daddy。フィル・ミケルソンが試打後に、性能の良さに感嘆して、"Mack Daddy!"と叫んだとか、ホントかな?
この場合のMackの意味は、隠語に近く、売春斡旋業者やヒモのこと(語源はフランス語の"maqereau")。これに直訳で父となるDaddyが付くと、そのボスみたいなスゲーやつとなる。転じて、女性を力と金で支配する男らしい男みたいな意味になるらしい(僕のイメージ、某国大統領)。こんな男尊女卑&ピンク由来の名前を、ゴルフ用品に堂々と付けてもいいのかしら?(お、ボーケイのSMも実はそっち系か・・・)
気になったら価格チェック:
今回のデータで、ウエッジは最新がいいということがわかった。
あ、男尊女卑で、まとまったぞ。「女房と畳とウエッジは新しい方がいい」。
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