フェデックスカップファイナルは、タイガー・ウッズの5年ぶりの優勝で劇的に終わって、「あーあ、2018年のPGAシーズン終わっちゃた・・・」とため息をつくまもなく、すぐ翌週から、2019年シーズン開幕!って、余韻もなく、早すぎじゃないの? 何もかも完全商業主義の北米らしく、ゴルフ用品メーカーやTV放送業界の陰謀に違いない・・・ゴルフファンとしては、ちょっと嬉しいけどさ、2週間くらいならPGAツアーロス気分も、ちょっとは味わってみたかった気もする。
2018年の年間王者はジャスティン・ローズだったけど、プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたのは、4月のマスターズ、8月の全米プロゴルフ選手権と、メジャーを年間で2回とった、ブルックス・ケプカ。
年間ランキングは9位だったけど、このプレーヤー・オブ・ザ・イヤーは、PGAツアーに15試合以上出場したメンバーによる投票。つまり普段は戦ってるライバルから認められたっていう事だから、プロアスリートとして、嬉しだろーなー。
で、ブルックス・ケプカといえば、このブログで何度も、何度も、何度も・・・登場して、しかも結局僕自身も今年のセールでついに購入(購入した記事は、
こちら)してしまったミズノJPX900ツアーアイアン(試打記事は、
こちら)の愛用者。ま、元々このJPX900ツアーアイアンは、ナイキのゴルフクラブ撤退を機に、ミズノがケプカのために開発したアイアンらしいから、ケプカは、愛用者というよりは、アドバイザー/開発者。ケプカのPGAツアー2018年特集ビデオにも登場するけど、アイアンキレッキレ。
で、このJPX900アイアンシリーズの後継モデルとなる、JPX919アイアンが満を持しての発売だから、試打しないわけにはいくまいて。これだけ実績を残したモデルの後継機種の、進化度合いと進化方向をじっくりテスト。
スペック:
クラブ①:ミズノJPX919 アイアン ツアー
7番
クラブ②:ミズノJPX919 アイアン フォージド
7番
クラブ③:ミズノJPX919 アイアン ホットメタル
7番
ボール:スリクソン Zスター XV 2017年モデル
北米ミズノゴルフのウエッブサイトにある特徴は以下の通り。
JPX919ツアー
①スイングと球筋を安定させるフレーム
②薄くなったトップライン(7番アイアンで前作比で10%薄いそうな)
③ご存知グレインフローフォージド製法(鍛流線を途切れさせない製造方法)
グレインフローフォージド製法に関する、大人のウエッブ社会科見学できるミズノウエッブサイトは、
こちら。
JPX919フォージド
①ちびっーと、ボロン添加
②うっすら、キャビティ
③ここでもスイングと球筋を安定させるフレーム
④ここでもグレインフローフォージド製法
(正面からは分かりずらいけど、ちゃんとキャビティ。ゴミ詰りが心配?)
JPX919ホットメタル
①クロモリ4140M(弾性ある素材でフェース厚みに変化を持たせてボールスピードアップ)
②ワンピース構造(ホットメタルは、結構複雑な形してるから、わざわざ特徴としてる)
③またまた登場のスイングと球筋を安定させるフレーム
④新開発のサウンドリブ(打った時の振動を満足感のあるインパクトにするとか)
(これがサウンドリブ。これでワンピース構造ってすっげ)
(他よりもグース強めね、)
データ:
(明らかなミスヒットを除く、5球平均値)
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ゴルフがないと仕事にやる気がでなーい。音楽がないと生活に彩りがなーい。
・・・結局、寝ても覚めても趣味ばかり。時間ができたら仕事しよっ。
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データ補足:ー予想通り、ツアー、フォージド、ホットメタルの順で飛距離が伸びる。球の高さは、これとは逆。以下の表の通り、ロフトの違いがしっかり結果に出てます。(おかしな結果にならず、あー、良かった)。
ー縦の距離も、横のブレも、「俺ったら、上手くなった?」と勘違いさせる正確さ。この点は前作から、更に進化。
ー但し意外だったのは、JPX919フォージドで、これだけ、どーもフェード回転傾向。これだけは、左を消したいパワーヒッター向け?
ー最長キャリーは、JPX919 ホットメタルの162ヤード。ランを含めた最長トータル飛距離も、JPX919 ホットメタルで178ヤード。
テスト時の感覚:
ー当然のことながら、ソフトで芯のあるミズノアイアン打感は、秀逸。でもこの部分での進化は、前作JPX900アイアンツアー、フォージドではあんまり感じられない。
ー今回のモデルで、打感が断然良くなったのは、JPX919ホットメタル。JPX919ツアーやJPX919フォージドとあまり遜色なくなった。
ーJPX900も小顔アイアンだったけど、特にJPX919ツアーは、トップラインが前作よりも細くなっていることもあり、ますます小さくなった印象。
ー構えるとこんな感じ。
後ろからの大きさは、2種類ともほぼ同じ。
(どの写真も、左から、ツアー、フォージド、ホットメタル)
ー特筆しといた方がいいと思うけど、普段、ミズノJPX900ツアー使ってるから、改めてJPX919の打感にカンドーしてないだけ。他社アイアンと比較したら、空前絶後、出前迅速、落書き無用のスーパー打感です。
(本文とは特には無関係)
今週のコンペに持っていくなら:
メジャーチャンピオンとなった、ブルックス・ケプカが開発したアイアン・・・っていう事実からは、相当にピーキーな(最近聞かない単語だけど、使わないか?)イメージのアイアンになるけど、前作JPX900アイアンにも、今回のJPX919アイアンにも、マッスルばりばりのような難しさはない。ミズノJPX919アイアンよりも、飛ぶクラブ、打感が柔らかいクラブ、許容性が高いクラブ等々・・・は、沢山あるけど、このミズノ919アイアンの、二度と忘れられない打感に加えて、適度な飛距離、適度な球の上がり具合、適度な操作性、適度な許容性・・・は、相当な高レベル。特徴がないんじゃなくて、スコアを良くするための要素が総合的に詰め込まれたアイアン。この意味において、一打一打に人生を賭け、常に”勝利”を求められる「プロ仕様」のアイアンと言える。
前作JPX900シリーズでは、個人的にJPX900ツアーが気に入って購入したけど、今回のJPX919シリーズでの一押しは、JPX900ホットメタル。トップラインの厚さは若干気になるけど、改善された打感と一番手上の飛距離は理想的。プロゴルファーみたいに、自由に組み合わせられるなら、3番(ホットメタルに3番はないけど)、4番あたりに、ホットメタル、それ以外にツアーなんてやってみたいな~。
試打後記:
ゴルフシミュレーターで試打し終えて、いつもの通り、買いもしないのに、ショップの中をウロウロと行ったり来たりしていると、カスタムクラブ受付の人に声かけられた。「お客さんが、シャフト交換で、こんなクラブもって来たぜ」
おー、これは・・・日本のゴルフ雑誌で宣伝や記事は見てたけど、本物は初めて。CRAZYじゃないかー。2015年のマッスルバックモデルらしいけど、なんかジャパネスクしてて、ちょーかっちょえ~。
しっかし、この見た目、そーとー、難しそ。
気になったら 価格チェック:
生粋のミズノ打感+一番手上の飛距離。しかも日本で持ってる人も少ないはず。スコアもクラブも羨望も眼差し間違いなし。

PS:
ゴルフ雑誌のレッスン、特集、理論などが、平気でコロコロ変わるのには、いまさら全然驚かないけど、最近のアルバトロスビューは、毎週毎週、前号巻頭をビミョーに自虐的に否定して、ネタにしてる(・・・に違いない)。